検診受けないと「損!」
がんと一口に言っても、治癒率が100%近いものから、ゼロに近いものまで、さまざまです。
がんのタイプや発生部位などによって、進行が非常に遅いがんから、早いがん、中くらいの速さで進行するがんがあることも影響しています。
がん専門医によると、中くらいの速さで進行するがんの場合、最初の一つのがん細胞の発生から死に至るまで10年以上かかるのが普通だといいます。
このため、定期的な検診で早期のうちに発見できれば、がんによる死を防ぐことができます。特に、乳がんや大腸がん、子宮頸がん、胃がん、肺がんなどは検診に向いています。
ところが、日本人のがん検診受診率は、30~40%前後と未だに低い数値で推移しています。欧米や隣国の韓国では、50~90%近いものまで、高い受診率を維持しています。
欧米ではがんで亡くなる人が減っているのに、日本では増え続けています。
この検診受診率の“格差”に、理由の一端があるのではないでしょうか。
日本人が、がん検診を受けない理由について、国の調査によると、第1位は「受ける時間がないから」が48・0%で最も多く、「費用がかかり経済的にも負担になる」(38・9%)、「がんであるとわかるのが怖い」(37・7%)が続いています。まだまだ日本人の意識の低さが数字に表れています。
がん検診を受けなければ「損をする」という思想の広がりが大切です。